人材業界における就職・転職を考えている人の中には、「転職エージェントを利用したいけど、どこがいいのか分からない」と悩んでいる人も多いようです。
本記事では人材業界に強いおすすめ転職エージェントについて、各社の特徴を紹介していきます。
人材業界の主な就職先やりがい、注意点についても解説するので是非ご確認ください。
人材業界に転職する際の転職エージェントの選び方
人材業界の市場規模は大きく、多くの転職エージェントでHR関連の求人を取り扱っています。では、実際に利用する転職エージェントはどのように選べばよいのでしょうか。
人材業界に就職・転職をする際、転職エージェントの選び方は主に以下の通りです。
人材業界に転職する際の転職エージェントの選び方
- 就職先の希望領域で選ぶ
- 担当者で選ぶ
- 求人の量で選ぶ
上記について、詳しく解説していきます。
就職先の希望領域で選ぶ
転職エージェントには、様々な種類の求人を扱う「総合型転職エージェント」と、特定の業界や職種に特化した「特化型転職エージェント」があります。
特化型転職エージェントの場合は特定の領域の求人に絞っている分、担当者の業界理解度が高く、情報が豊富なケースが多いといえます。
これに対し総合型の転職エージェントは、業界や職種を問わず幅広い選択肢から求人の提案を受けることが可能です。
そのため、「人材業界以外は興味がない」という方は『特化型転職エージェント』、「人材業界以外の求人も含めて転職先を検討したい」という方は『総合型転職エージェント』を利用するとよいでしょう。
また、もし既に人材業界の経験があり、「年収を上げたい」「キャリアアップできる求人を探したい」と考えている場合は、スカウト型サイトに登録するのがおすすめです。希望する条件に応じて、転職エージェントや企業からスカウト求人が提示されるため、年収アップ等を実現しやすい転職方法といえます。
担当者で選ぶ
転職エージェントの選び方のひとつに「担当者で選ぶ」という方法があります。
転職エージェントを利用する場合、キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーとの相性は非常に重要な要素となります。
希望条件のヒアリングやキャリアプランの確認(もしくは設計)等のカウンセリングの質は、担当するキャリアアドバイザーに大きく依存するといえます。
また、求人企業との条件交渉は、基本的に「リクルーティングアドバイザー」と呼ばれる営業担当者が対応します。年収や働き方等の交渉を代行したもらうため、非常に重要な役割です。
同じ転職エージェントの中でも、上記の担当者によって転職活動の成否は影響されるため、登録後には「自身と担当者との相性は合うか?」をしっかり確認しておくとよいでしょう。
担当者の指名は出来ないケースが多いので注意!
求人の量で選ぶ
転職エージェントの選び方のひとつに「求人の量で選ぶ」という方法があります。
転職活動を行う上では、転職エージェントが保有する求人の件数は転職先の選択肢の多さに直結します。「自身のキャリアプランを実現できる企業」「ビジョンに共感できる企業」を探すためには、選択肢(求人)が多いほど有利になるといえるでしょう。
人材業界で転職活動を行う際には、当該領域における保有求人件数を転職エージェント選びの基準のひとつとするとよいでしょう。
ただし、会員登録するまで求人が完全非公開となっている転職エージェントもあるので、求人の数だけに惑わされないように、あくまで目安として考えておきましょう。
人材業界に強いおすすめ転職エージェントを一覧比較
人材業界に強いおすすめの転職エージェントは以下の通りです。各社の保有している求人件数や専門性、特徴を比較できるので、参考したうえで利用する転職エージェントを選ぶとよいでしょう。
転職エージェント | 種類 | 求人件数 | おすすめポイント |
doda | 総合型 | 288,553件 ・人材紹介営業:2,446件 ・派遣営業:1,400件 ・派遣コーディネーター:774件 ・求人広告営業:491件 ・キャリアアドバイザー:1,600件 非公開求人多数 | ・求人サービスとエージェントサービスどちらも利用可能 ・きめ細やかな転職サポート |
JACリクルートメント | 総合型 | 16,423件 人材関連:188件 他非公開求人多数 | ・ハイクラス(およびミドルクラス)の転職に特化 ・機密性の高い非公開求人多数有り |
リクルートエージェント | 総合型 | 410,656件 (非公開求人:359,714件) 人材業界公開求人:92,938件 人材業界非公開求人:54,629件 | ・人材業界を含めた求人数が豊富 ・業界に精通したキャリアアドバイザー ・書類通過可能性アップのスカウトサービス |
ビズリーチ | スカウト型 | 不明 | ・質の高いスカウトサービス ・優秀なヘッドハンターからスカウトを受けられる |
人材業界転職ルート | 特化型 | 不明 | 人材業界に特化した転職エージェント |
キャリアアドバイザーAGENT | 特化型 | 不明 | ・キャリアアドバイザーに特化したサービス ・一気通貫型の手厚いサポート |
インプレッション | 特化型 | 不明 (常時100件以上) | ・人材業界特化のミドル~ハイクラス向け転職エージェント ・管理職の転職支援実績も多数有り |
UZUZ | 総合型 (20代転職に特化) | 不明 | ・20代の転職サポートに強み ・ブラック企業を排除する独自基準 |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
上記のおすすめ転職エージェントについて、詳しく解説していきます。
doda
転職エージェント | doda |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
保有求人件数 | 288,553件 ・人材紹介営業:2,446件 ・派遣営業:1,400件 ・派遣コーディネーター:774件 ・求人広告営業:491件 ・キャリアアドバイザー:1,600件 非公開求人多数 |
人材関連求人の一例 | ・専門職のキャリアアドバイザー ・テレビ業界の派遣営業 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
人材業界大手企業のパーソルキャリアが運営するdodaは、非常に多くの求人を掲載している転職エージェントです。
非公開求人を含めて288,553件(2024年6月17日調査時点)もの求人を保有しており、人材業界に限らず様々な領域の求人を探すことが出来る「総合型転職エージェント」です。
人材業界の求人も非常に豊富で、人材紹介の営業職やキャリアアドバイザーまで、様々な企業の求人を扱っています。また、未経験歓迎求人も多く取り扱っているため、「人材業界未経験だけど挑戦したい」「幅広い業界・職種から転職先を探したい」と考えている人に特にオススメです。
dodaの転職エージェントサービスは「転職するか決めていなくても利用可能」なので、現職に残るか転職するか悩んでいる方も、登録してキャリアカウンセリングを受けてみるとよいでしょう。
求人サービスとエージェントサービスどちらも利用可能
dodaの特徴の一つに、「転職エージェントサービス」と「求人情報提供サービス」の両方が利用できる点が挙げられます。
dodaは非常に多くの求人を保有している転職エージェントでありながら、エージェントサービスを使わずに自身で求人を探して応募することも可能です。
きめ細やかな転職サポートを受けられるエージェントサービス
dodaに登録することで、希望者はきめ細やかな転職支援サーボスを受けることが出来ます。dodaの転職支援の主な内容は以下の通りです。
dodaの転職エージェントサービス
- 応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削
- 面接対策(模擬面接等や受け答えのアドバイス)
- 応募書類提出の代行
- 面接日の調整
dodaでは、上記のエージェントサービスが全て無料で利用可能です。
dodaの転職エージェントサービスを利用することで、キャリアカウンセリングで希望の条件(収入や働き方等)をヒアリングしたうえで、最適な求人の紹介を受けられます。
そのため、「求人が多くてどこに応募すればいいか分からない」という人でも安心して転職活動を進めることが出来ます。
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JACリクルートメント
転職エージェント | JACリクルートメント |
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
保有求人件数 | 16,423:件 (人材関連:188件) 他非公開求人多数 |
人材関連求人の一例 | ・教育関連事業のコンサル営業 ・技術者派遣会社の人事研修企画 ・転職エージェントの営業職 |
公式サイト | https://www.jac-recruitment.jp/ |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
JACリクルートメントはハイクラス・ミドルクラスの転職に特化したサービスです。
各企業の採用担当者へ強いパイプを持っていることに加え、業界や職種ごとに専門性の高いコンサルタントが対応するため、転職市場や社会情勢を踏まえた求人提案を受けることが出来ます。
通常の転職エージェントでは、求職者対応を行う「キャリアアドバイザー」と求人企業への営業を行う「リクルーティングアドバイザー」の分業体制をとっていますが、JACリクルートメントでは双方を同じ人が担当するコンサルタント型(両面型)となっています。
そのため、転職希望者と求人企業とのミスマッチを防ぐことに繋がっており、「ミドル・ハイクラス転職」におけるオリコン顧客満足度1位(2024年)の実績を誇っています。
ハイクラス転職に特化
ハイクラス(およびミドルクラス)の転職に特化したJACリクルートメントでは、管理職やマネージャー候補求人のみならず、CHROやCFO等の経営陣クラスの求人も保有しています。
ハイクラス求人はその性質上、「非公開求人」として扱われることが多くあります。そのため、ハイクラス求人の紹介を受けたい人は、担当のコンサルタントへこれまでの経歴や今後のキャリアプランを伝え、最適な求人の提案を受けるとよいでしょう。
機密性の高い非公開求人多数有り
JACリクルートメントの特徴の一つとして、「非公開求人が非常に多い」ことが挙げられます。
JACリクルートメントが扱う求人の約4分の3(約75%)はWEBサイトには掲載されていない「非公開求人」となっています。
上級管理職や経営層求人、公開されていないプロ時ジェクトに関する求人は一般に子飼されず、取り扱いが出来る転職エージェントも一部に限られます。JACリクルートメントでは、同社でしか取り扱いのない「独占求人」も多数保有しており、人材業界の中でキャリアアップを考えている人は必見の転職エージェントといえます。
リクルートエージェント
転職エージェント | リクルートエージェント |
運営会社 | 株式会社リクルート |
保有求人件数 | 410,656件 (非公開求人:359,714件) 人材業界公開求人:92,938件 人材業界非公開求人:54,629件 |
人材関連求人の一例 | ・人材派遣会社のコーディネーター ・学校法人の進路アドバイザー |
公式サイト | r-agent.com |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
リクルートエージェントは言わずと知れた大手人材会社の株式会社リクルートが運営する天保クエージェントです。
リクルートエージェントでは40万件を超える公開求人と35万件以上の非公開求人(2024年6月17日調査時点)があり、他の転職サービスと比較しても求人の数が多いことが分かります。
自身で求人に応募できることに加え、スカウト求人を受け取ることも出来るので、幅広い転職活動を行うことが出来ます。
人材業界を含めた求人数が豊富
リクルートエージェントの最大の特徴として、求人保有件数が他エージェントと比較してかなり多いことが挙げられます。
公開求人件数は40万件を超えており、人材業界の公開求人は92,938件、非公開求人は54,629件と転職エージェントの中でも群を抜いているといえます。
※上記の求人数は2024年6月17日調査時点のものです。
そのため、リクルートエージェントに登録して転職活動を行うことで、人材業界に限らず非常に多くの選択肢の中から転職先を検討することが出来ます。
業界に精通したキャリアアドバイザー
リクルートエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーが転職をサポートします。
転職市場は社会情勢やトレンドに応じて常に変動しますが、リクルートエージェントでは社内研修や勉強会を通してスキルを高め、転職希望者へ質の高い支援を提供しています。
専門家としてのアドバイスや面接対策等を受けられるため、より効率的に転職活動を行うことが可能といえます。
書類通過可能性アップのスカウトサービス
リクルートエージェントに登録することで、スカウトサービスも利用することが可能です。
リクルートエージェントスカウトサービスは、自身のキャリアシート(匿名)に対し、興味を持った企業からのスカウトを受け取ることが出来るシステムです。
スカウト経由の応募は通常よりも書類選考通過率が約3倍となるので、積極的に活用していくとよいでしょう。
転職支援サービス申し込みはこちら
ビズリーチ
転職エージェント | ビズリーチ |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
保有求人件数 | 不明 |
人材関連求人の一例 | 不明 |
公式サイト | bizreach.jp |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
ビズリーチは、優良企業や優秀なヘッドハンター(基準有り)からスカウトを受けることが出来る転職サービスです。
自身の職務経歴や希望条件(収入や職種等)を登録することで、企業やヘッドハンターからスカウト求人が届くサービスです。自身の経歴に合わせてスカウトが届くので、スカウトサービスを使って自身の市場価値を確認することが可能です。
ビズリーチからスカウトを行うヘッドハンターは、一人ひとりの経歴や、アンケートや実績をもとにしたスコアが確認できるため、安心して転職相談の相手を探すことが出来ます。
個人的には職務経歴書機能が重宝しています。
自身の経験や実績を忘備録的に更新しておくと、その内容に応じたスカウトが来るので、常に転職市場における自身の価値を測ることが出来ます。
人材業界転職ルート
転職エージェント | 人材業界転職ルート |
運営会社 | 株式会社ファンオブライフ |
保有求人件数 | 不明 |
人材関連求人の一例 | ・大手人材紹介会社 ・学校法人 |
公式サイト | https://jinzai-tenshokuroot.jp/ |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
人材業界転職ルートはその名の通り、「人材業界」に特化した転職支援を行うサービスです。
誰もが知る大手人材紹介会社や、特定の職種や領域に特化した転職エージェントに加え、研修会社や大学などの教育機関まで、人材領域の様々な求人を保有しています。
人材業界の転職を熟知したコンサルタントが転職サポートをしてくれるので、HR業界未経験の方でも安心です。
人材業界経験者の場合も、職種等の軸をずらして転職することで年収アップなども期待できます。
「人材業界特化」の転職エージェントは実は多くありません。
人材業界転職ルートを運営する「株式会社ファンオブライフ」では、他にも「教育業界専門」「弁護士・経営人材専門」の転職エージェントも運営しており、特化型支援のノウハウを持った企業といえます。
キャリアアドバイザーAGENT
転職エージェント | キャリアアドバイザーAGENT |
運営会社 | 株式会社9E |
保有求人件数 | 不明 |
人材関連求人の一例 | 不明 |
公式サイト | https://ca-agent.com/ |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
キャリアアドバイザーAGENTは、人材業界の中でも「キャリアアドバイザー」という職種に特化した転職エージェントです。
- キャリアアドバイザーとは
- 求職者との面談を通して希望条件のヒアリングやキャリア設計の支援を行い、転職成功を支援する職種。主に転職エージェントや人材派遣会社で活躍する。
大手転職エージェントのような分業制ではなく、条件ヒアリングから求人の紹介、企業との折衝まで一人の担当者が一貫して行う「両面型」と呼ばれるスタイルのため、認識の齟齬によるミスマッチが生まれづらいのも魅力です。
過去に支援した方の実際の声・評判を踏まえて担当者が求人の紹介を行うため、転職希望者一人ひとりに合わせた求人紹介が受けられます。
インプレッション
転職エージェント | インプレッション |
運営会社 | 株式会社インプレッション |
保有求人件数 | 不明 (常時100件以上) |
人材関連求人の一例 | 大手~中小人材会社 |
公式サイト | https://www.impr.co.jp/ |
※求人件数は2024年6月17日調査時点
インプレッションは、人材業界の中でもミドル層からハイクラス層に特化した転職エージェントです。
有料職業紹介や人材派遣の管理職へ転職支援した実績は約29%となっており、転職支援者の約77%が年収500万円以上の求人となっています。
※上記の転職支援は2024年2月実績
また、もしも希望しているポジションの求人が相談時に無い場合は、希望の内容に合わせて企業への提案も行ってくれます。そのため、転職を通してキャリアアップを目指している人材業界経験者は、まずは相談してみるとよいでしょう。
UZUZ(ウズウズ)
転職エージェント | UZUZ |
運営会社 | ・大手人材会社の求人媒体営業職 ・ベンチャー企業や中小企業のリクルーティングアドバイザー やキャリアカウンセラー(キャリアアドバイザー) |
保有求人件数 | 不明 |
人材関連求人の一例 | 不明 |
公式サイト | https://uzuz.jp/ |
UZUZは20代に特化した転職エージェントです。一人ひとりに合わせたオーダーメイド型の面接対策等を行っており、きめ細やかなサポートが強みです。
人材業界に特化した転職エージェントではないものの、求人媒体の営業職やキャリアアドバイザー職等の人材関連職種への紹介実績を多数保有しています。
UZUZではブラック企業の求人を排除するための独自の基準を設けており、担当者が求人企業編訪問して実際の労働環境をチェックしています。
また、UZUZ経由で入社した人から実際の声をヒアリングして求人の内部情報を把握しているため、安心して求人紹介を受けることが出来ます。
UZUZが排除するブラック企業求人の例
- 若手人材の離職率が高い
- 残業時間が長い
- ハラスメントがある
- 求人情報と実際の雇用条件が異なっている
人材業界の主な転職・就職先
人材業界とひとことで言っても、実は様々な転職先があります。ここでは、以下の人材業界の主な就職先について、ビジネスモデル毎に解説していきます。
人材業界の主な就職先
- 転職エージェント(有料職業紹介事業)
- 人材派遣
- 求人広告業
- SES
- 採用代行(RPO)
- 人事コンサルティング
- HRテック
上記の就職先について、詳しく解説していきます。
転職エージェント(有料職業紹介事業)
転職エージェントは法律上は「有料職業紹介事業」と呼ばれており、法律で規定された許可事業となっています。
転職エージェントは、転職希望者を契約している求人企業へ紹介することで、採用時に「紹介手数料」という形で成功報酬を受けとるビジネスモデルです。基本的に企業からのみ手数料を受け取るモデルになるため、転職希望者は無料で利用することが出来ます。
様々な職種を扱う「総合型転職エージェント」と、特定の職種や領域に特化した専門性を持つ「特化型転職エージェント」の2種類があります。専門職の経験がある方は当該領域における特化型転職エージェントに就職することで、これまで培った専門性を活かした転職支援・採用支援を行うことが出来ます。
主に求職者の対応を行う「キャリアアドバイザー」と、企業の開拓や折衝を行う「リクルーティングアドバイザー」の職種がありますが、転職エージェントによっては1人の担当者が両方を役割を担うケースも有ります。
人材派遣
人材派遣業は、自社で雇用した派遣社員を契約企業へ派遣するサービスです。派遣先企業から受け取る派遣料金と、派遣社員へ支払う給与や各種社会保険等の差額が主な収益減となるビジネスモデルで、業界を問わず浸透している人材サービスです。
人材派遣会社に就職する場合、転職エージェントと同様に「キャリアアドバイザー」と「リクルーティングアドバイザー」のどちらかの職種で働くケースが多いので、自身の適性や目標に合わせて希望職種を検討するとよいでしょう。
就職する人材派遣会社で扱う職種や業界によっては、派遣社員のマネジメントに近い役割をもt目られる場合も有るため、幅広いスキルが求められる就職先といえます。
求人広告業
人材業界の代表的な業態として「求人広告業」が挙げられます。
求人広告とは、フリーペーパーや求人メディア等を使った広告事業であり、掲載料や採用決定数に応じて求人企業から広告料を受け取るビジネスモデルです。
近年では、Indeedや求人ボックスのようにPPC(クリック課金型)による成果報酬を受け取るモデルも急速に浸透しつつ有り、多様化が進んでいる業態といえます。
SES
SES(「System Engineering Service」の略称)はITエンジニア需要の増加に伴って急速に普及してきたビジネスモデルで、企業(クライアント)に対してエンジニアの技術提供を行うサービスを指します。
ITエンジニアを企業へ派遣して提供して行われるサービスですが、法律で定義される「人材派遣契約」が行う『労働力の提供』とは異なり、「準委任契約」という『受託した業務の遂行』によって報酬を得るビジネスモデルとなっています。
SESに就職する場合、エンジニアの対応を行う「キャリアアドバイザー」と企業対応をおなう「リクルーティングアドバイザー」、もしくは同時に行う一気通貫担当のいずれかを行います。
企業からの要望を具体的な人材要件に落とし込む、もしくはエンジニアの要望を細かく把握するために、最低限のIT知識(プログラミング言語の種類と役割等)を身に付ける必要があります。
そのため、「元ITエンジニア」の方が転職してSESの営業職となる場合も多いようです。
採用代行(RPO)
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcingの略称)はその名の通り、企業の採用を代行するサービスです。
採用プロセスの一部(スカウト業務や面接日次の調整など)を代行するケースと、クライアント企業へリクルーターが常駐して採用活動を行うケースがあります。
採用代行(RPO)の担当者には、その役割に応じて「正確な調整力」「採用に関する広い知見」に加え、プロジェクトによっては採用戦略の立案と実行まで求められるケースも有ります。
そのため、人事業務や転職エージェントの経験者におすすめの業態といえます。
人事コンサルティング
人事コンサルティングとは、人事領域におけるコンサルティングによって組織課題解決を支援のための助言や提案、その実行支援を行う業態です。
人事コンサルティングの具体的な内容は就職先によって大きく異なるものの、採用の支援や、評価制度・人材育成の仕組みの再構築などを行うケースが多く、人材療育の専門家としてのスキルを求められます。
HRテック
HRテック(Human Resource Technology)とは、その名の通り人的資本を管理と活用を推進する技術のことです。
主に採用や労務管理、タレントマネジメントや組織運営を支援するソフトやサービスのことを指すことが多く、HRテックで働く場合は営業職やカスタマーサクセス職等の多様な求人があります。
他の人材サービスとは違い、「人材課題をプロダクトで解決する」という性質があります。
人材業界のやりがい
人材業界は、求職者や採用企業の人事担当者と密なコミュニケーションを通して行う仕事のため、やりがいを感じやすい仕事と言われています。
ここでは、人材業界の代表的な以下のやりがいについて解説していきます。
人材業界のやりがい
- 人の転機に携われる
- 企業や組織の成長に貢献できる
- 個人で大きな売り上げを出せる
他者の転機に携われる
人材業界の代表的なやりがいのひとつとして、「他者の転機に携われる」ことが挙げられます。
転職エージェントや人材派遣会社、SES等の「個人と企業のマッチング」に直接かかわる業態では、転職や仕事探しという人生の節目に大きく関わることになります。
転職という人生の一大イベントにおいて、成功のために支援する専門家として関われる点が人材業界のやりがいのひとつといえまs。
企業や組織の成長に貢献できる
人材業界の仕事は、転職エージェントはHRテック等すべての業態で「企業の採用や組織運営」に関わる仕事です。
超高齢化社会による労働力不足が続く日本では、「良い人材を如何にして獲得するか」が経営に直結する重要な課題となっています。
人材業界で働く場合は、この人的資本による経営課題解決を支援できる点が、やりがいのひとつといえるでしょう。
個人で大きな売り上げを出せる
転職エージェントや人材派遣会社等は個人で達成可能な売り上げが大きい点が魅力といえます。
両面型転職エージェントの場合、上位層は5千万円~1億円もの売り上げを一人で作ることが出来るため、自社の企業成長に大きな貢献が出来る点がやりがいのひとつといえます。
売り上げの実績を上げていれば昇給・昇格をしやすいのも人材業界の特徴で、トッププレイヤーの場合は年収を上げた転職も行いやすい点も魅力といえます。
人材業界で働くメリット
人材業界はやりがいを感じやすい働き方が多い業界ですが、それ以外にも様々なメリットがあります。人材業界で働く主なメリットは以下の通りです。
人材業界で働くメリット
- 未経験でも転職しやすい
- 独立開業しやすい
上記の人材業界で働くメリットについて、詳しく解説していきます。
未経験でも転職しやすい
人材業界の特徴のひとつとして、「未経験でも転職しやすい」ということが挙げられます。
人材業界は実績や経験が重視されやすいですが、人材ビジネス市場の拡大に伴う人材不足のため、未経験でも採用されやすい業界といえます。
特に営業職や接客の経験がある人は、転職エージェントや人材派遣会社の営業職に採用されやすいといえます。また、エンジニアや医療・介護等の専門職の経験がある人はその職業知識を活かし、経験職種に特化した転職エージェントのキャリアアドバイザー職で採用されやすいといえるでしょう。
独立開業しやすい
人材業界の経験があると、独立開業しやすい点が魅力の一つといえます。
特に転職エージェントやSES等の人材ビジネスはスキルが個人に依存しやすく、開業のハードルも低いため、小規模でも独立を目指しやすい点も魅力のひとつです。
人材業界で働くデメリット
人材業界への就職・転職を考える場合、やりがいやメリットだけではなくデメリットについても考慮しておく必要があります。人材業界で働く場合、以下のようなデメリットがあります。
人材業界で働くデメリット
- 労働時間が長くなりやすい
- 離職者が多い
- 法律改正の影響を受けやすい
上記のデメリットについて、詳しく解説していきます。
労働時間が長くなりやすい
人材業界の働き方は「労働集約型モデル」になりやすい傾向があります。
そのため、売上やKPI目標を達成するために長時間労働を行うことになるケースがあるため、注意しておきましょう。
ただし、就職する企業規模や文化、求められる働き方によって労働時間は異なるため、しっかり求人を確認して就職先を検討するとよいでしょう。
就職する人材会社によっては労働時間が長くなりやすい
離職者が多い
人材業界の中でも、特に転職エージェントやSES等は平均年齢が若く、離職数が多い業態といえます。
離職しても同じ業界であれば再就職するのは難しくないものの、離職率の高さは組織の脆弱性に繋がる場合も有るため、注意しておきましょう。ただし、離職率の高さや組織の若さは「昇進・昇格の速さ」にもつながるため、成果次第ではスピード出世を目指すことも可能です。
もちろん就職する会社や部門によって異なるので、気になる場合は就職前に口コミサイトなどで確認しておくとよいでしょう。
法律改正の影響を受けやすい
労働関係法令は毎年のように改正があるため、人材業界はその影響をうけやすい点がデメリットといえます。
例えば、最低賃金の改正はほぼすべての人材ビジネスに影響することに加え、労働者派遣法は人材派遣会社、職業安定法は転職エージェント(有料職業紹介)に影響します。
また、Saas等のHRテックもプロダクトによっては法律改正の影響を受ける場合も有るでしょう。
人材業界へ転職する際の注意点
人材業界は未経験でも挑戦しやすく、経験と実績に応じて収入アップも狙いやすい業界です。ですが、未経験の方が転職する際には、事前に知っておくべき注意点があります。
人材業界へ就職する際の注意点
- 研修制度が整っていないケースが多い
- 労働関係法令の知識が求められる
- 責任が重い
上記の注意点について、詳しく解説していきます。
研修制度が整っていないケースが多い
人材業界は未経験でも就職しやすい反面、研修制度は整っていない会社が多くあります。
人材業界の中でも、特に転職エージェントや人材派遣会社、SES等は研修制度がそこまで整っていないケースが多く、OJTと実践を通して仕事を覚える風土の業態といえます。。
初心者であっても、求職者や企業の未来に関わる責任の想い仕事のため、研修の薄さと責任の重さのギャップに戸惑うこともあるでしょう。
ただし、大手転職エージェントをはじめとした優良企業では研修・OJT共にみっちり行う人材会社もあるため、転職活動の際にはしっかり確認しておくとよいでしょう。
実践中心の文化は悪いことばかりではありません。
ただし、キャリア支援や採用支援の専門家として求められる役割をこなし、成長していくためには積極的な自己研鑽が求められます。
労働関係法令の知識が求められる
人材業界で働く場合、ほぼ例外なく労働関係法令に関する知識を求められます。
職種によって求められる知識の広さ・深さは異なるものの、有料職業紹介や人材派遣会社の場合は法律知識の浅さが許認可取り消しに繋がる場合も有るため、責任は重大です。
もしも独学による法律の勉強が苦手な場合、社内研修などが整っている人材会社へ就職するとよいでしょう。
責任が重い
人材業界は転職希望者や組織改革に関わる仕事のため、その責任は重大です。
特に転職エージェントや人材派遣会社のキャリアアドバイザーの場合、面談と求人紹介を通して転職希望者と直接コミュニケーションをとるため、人生の転機に関わる責任を感じやすい職種といえます。
転職支援者のクレーム等を直接受ける場合も有るため、働くうえで自身の揺るがぬ軸が求められる仕事であることを理解しておきましょう。
仕事の選択をはじめとしたキャリア設計は「成功確率の高い選択肢」は分かっても、本当の意味の正解は分かりません。
常に正解を探し続ける必要があることに加え、たゆまぬ自己研鑽が求められることを理解しておくとよいでしょう。
人材業界のスキルアップに役立つ資格
前述したように、人材業界はやりがいを感じやすい反面、人生の重要な選択や経営課題に関わる責任重大な仕事です。そのため、人材業界で活躍していくためには常に自己研鑽が求められます。
ここでは、人材業界のスキルアップに役立つ資格を紹介していきます。
人材業界のスキルアップに役立つ資格
- キャリアコンサルタント
- 衛生管理者
- 社会保険労務士
それぞれの資格について詳しく解説していきます。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、人材業界全般で広く活かすことが出来る国家資格です。
最低限の労働関係法令の知識やキャリアに関する体系的な知識を身に付けることが出来る資格で、社会人でも目指しやすい資格です。
資格名 | キャリアコンサルタント |
資格の種類 | 国家資格 |
資格の取得難易度 | 普通 |
資格を取得するためには厚生労働大臣が認定するキャリコン養成講座を修了する必要がありますが、実務経験が3年以上ある場合は独学受験も可能です。
キャリアコンサルタント養成講座の中では、来談者中心カウンセリング(パーソンセンタード・アプローチ)やマイクロカウンセリング等のカウンセリング技法について学ぶことが出来るため、キャリアアドバイザーとして働きたい方には特におすすめです。
年数回行われる国家試験の具隔離は45~60%程度を推移しており、取得難易度もそこまで高くない国家資格といえます。
衛生管理者
衛生管理者は一定の条件を満たす事業所(常時50人以上の労働者が勤務)であれば、必ず設置しなければならない国家資格者です。月に1回の衛生委員会を中心に、労働者の健康を守るための業務を行います。
資格名 | 衛生管理者(Ⅰ種・Ⅱ種) |
資格の種類 | 国家資格 |
資格の取得難易度 | 易しい |
衛生管理者の資格を取得することで、最低限の労働関連法令に関する知識の習得をすることが出来ます。
試験の内容はそこまで難しくないため、「労働関連の法律のインプットをしたい」「仕事に役立つ資格を取りたい」と考えている人におすすめの資格です。
社会保険労務士
社会保険労務士(通称:社労士)は労働関係の法律や社会保険に関する専門家です。社会保険労務士法に規定された国家資格であり、合格することで人材関連の法律に関する専門家としての知識を有していると、客観的な照明をすることが出来ます。
資格名 | 社会保険労務士 |
資格の種類 | 国家資格 |
資格の取得難易度 | 難しい |
ただし、社労士合格の難易度は非常に高く、合格率は例年10%以下となっています。そのため、人材業界で働いている人の中でも、「営業職からキャリアチェンジしたい」「法務部門などで働きたい」と考えている人におすすめの資格です。
人材業界から転職する際のキャリアパス
人材業界で働いた後に転職する場合、主な転職先として考えられるのは以下の通りです。
人材業界から転職する際のキャリアパス
- 同じ職種で年収アップを目指す
- 人材業界でマネージャーなどの管理職を目指す
- 人事(採用・労務)職へキャリアチェンジ
- 違う業界の営業職へキャリアチェンジ
人材業界の経験者は、同じ人材業界の中であれば転職しやすいという特徴があります。これは、人材業界の仕事内容が労働集約になりやすく、求められるスキルセットが似通っていることが多いことに奇異します。
そのため、人材業界から転職する際のキャリアパスの代表的なものとして、同じ職種や業界で年収アップやキャリアアップ転職を目指す、というものが挙げられます。
また、人材業界で活躍した経験と知識を活かし、人事職や異業界の営業職になるケースも多いようです。
人材業界に強い転職エージェントまとめ
本記事では「人材業界に強い転職エージェント」について、各社のおすすめポイントや特徴について解説してきました。
人材業界の仕事は非常にやりがいがある反面、企業によっては長時間労働をはじめとした厳しい働き方になる場合があります。そのため、人材業界へ転職する際にはプロの転職エージェントの力を借りて、納得感のある転職を目指すとよいでしょう。