介護の仕事を始めたいけど、以下のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
- 「無資格でも始められる?」
- 「未経験だと大変?」
- 「無資格未経験からどのように転職すればいい?」
そのほか、無資格・未経験の介護職の給料や、取得すべき資格などについても知りたい方もいるでしょう。
本記事では、無資格未経験から介護職を始める際の注意点や、成功させるためのポイントなどを紹介します。資格も経験もないけど、これから介護職を始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護職は無資格・未経験でも働ける?
介護職は無資格で未経験でも、問題なく働けます。年齢や性別の制限もなく、30代で新たな業界へチャレンジしたい方や、40代で子育てがひと段落した方など、さまざまな方が介護業界へ参入されています。
たしかに資格を取得してから介護職を始めるほうが、安心して始められるかもしれません。しかし、すぐに現場で働き始めることで、効率的に介護職にとって必要なスキルを身につけることができます。
介護の仕事の中でも、無資格未経験だとできない業務もあるため、あらかじめ知っておくことが大切です。本記事内で、「無資格未経験の介護職でもできること」と「無資格未経験の介護職ができないこと」を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
介護職が無資格・未経験でも問題なく働ける理由
では、介護職が無資格未経験でも働けるのはなぜでしょうか?主に、以下の2つが理由です。
- 高齢化率の増加
- 介護人材の不足
介護業界の現状や、介護資格取得のルートなどが関係しています。それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
高齢者の増加
現在の日本は「超高齢化社会」と呼ばれる領域に達しており、高齢化率の増加により、介護人材のニーズが高まり続けています。
日本の高齢化率は、2022年10月時点で29.0%です。人口のおよそ3人に1人は高齢者という状況で、かなりの高齢化率と言えます。
少しでも多くの介護人材を確保するためにも、無資格・未経験でもOKにして、介護業界への入り口を
介護人材の不足
高齢化に伴う慢性的な介護人材の不足も、無資格・未経験の方を介護施設が積極的に受け入れている理由です。
厚生労働省が発表したデータによると、2025年に必要とされる介護職の人数は243万人です。現状のままだと、およそ32万人の介護職が不足すると予想されています。
参照:厚生労働省「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」
3年以上の実務経験を積むことで国家資格取得が可能
介護の国家資格である「介護福祉士」は、無資格未経験から取得する場合、介護現場での実務経験を3年以上積まないと国家試験を受験できません。そのため、まずは現場で介護職を経験することが求められています。
筆者も最初は、無資格未経験で介護業界へ飛び込みましたが、コツコツ経験を積みながら資格を取得し、介護福祉士として働けるようになりました。介護業界では資格を取ることが、キャリアアップの主な手段で、資格取得には現場経験が必須となっています。このような介護資格を取得する仕組みも、無資格未経験からでも働けるようになっている理由のひとつです。
参照:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
介護職の基本的な仕事内容
介護職の主な仕事内容は、以下の2つです。
- 生活支援
- 身体介助
生活支援は、掃除や洗濯など身の回りの作業がメインの仕事です。
それに対し、身体介助は入浴や排泄など、ご利用者の身体に直接触れるようなサービスです。また、生活の中で自立支援を促すために、できるだけ自分の力で立っていただくような関わりも、身体介助のひとつです。
また、介護を必要とする高齢者には、認知症の方も多く、専門的な知識やスキルを要した上で、適切な認知症ケアも必要になってきます。
このほかにも、ご利用者の話を聞いたり、医療的なケアが必要な場合に、医師や看護師に状況を説明したり、適切なケアをしたもらうことも重要な仕事です。
無資格・未経験の介護職の仕事内容
無資格未経験の介護職でもできる仕事は、主に以下の4つです。
無資格・未経験の介護職に可能な業務
- 生活支援
- 身体介助(有資格者の指導が必要)
- 送迎業務
- 事務作業
それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
生活支援
生活支援とは、主に以下のような業務です。
主な生活支援業務
- 掃除
- 洗濯
- 買い物
- 調理
- レクリエーション
- 衣類や布団の整理など
生活支援は、介護に関する特別なスキルがなくてもできることばかりなので、資格がなくても行えます。ただし、レクリエーションは人前で話すのが苦手な人は、はじめは少し緊張するかもしれません。
無資格・未経験で介護職を始めたとしても、生活支援を問題なくこなせる方は、現場に必要とされる人材のため、スムーズに他の職員から信頼を得られるでしょう。
身体介助(資格者の指導が必要)
身体介助とは、以下のようなご利用者の身体に直接触れながら行う業務です。
主な身体介助業務
- 掃除
- 洗濯
- 買い物
- 調理
- レクリエーション
- 衣類や布団の整理など
身体介助は、介護の専門的な知識やスキルが求められるため、知識や経験がないと難しく感じるかもしれません。そのため、無資格・未経験の介護職が身体介助を行う場合は、介護の資格を有する方の指導が必要です。
筆者も無資格・未経験で介護職を始めたため、最初の数ヶ月は常に先輩職員が同行しながら身体介助を覚えていきました。
送迎業務
送迎は、主にデイサービスをはじめとした通い型の介護施設で働く場合に行う業務です。送迎専用のドライバーを雇う施設もありますが、ほとんどの施設は介護職が送迎業務と兼務を行なっています。そのため、介護の資格はなく未経験でも、運転免許証があれば送迎業務をすることがあるかもしれません。
未経験で介護職を始めたい方で、デイサービスでの勤務を希望している場合は、送迎業務が可能かどうか聞かれるでしょう。送迎では車の乗り降りでご利用者の身体に触れたり、コミュニケーションを取ったりしながら、少しずつ介護に慣れていけるというメリットがあります。
事務作業
介護施設では、以下のような仕事をする事務職が必要です。
- 介護備品の発注や在庫確認
- 電話対応
- 来客対応
- 支払い関係の計算
介護事務は資格や経験がなくても可能ですが、介護報酬の請求に関する業務は、介護保険に関する知識が必要になってきます。
筆者が働いていた施設では、現場で介護職をしていた職員が、腰痛を原因に事務職に移りました。やはりその際に、介護報酬の請求に関する業務は、慣れるまで苦労していたようです。
無資格の介護職ができないこと
無資格の介護職ができないことは、主に以下の2つです。
無資格では出来ない介護業務
- 訪問介護での身体介助
- 医療的なケア
無資格ではできない業務を知っておくことで、就職先を決める際の参考になるので、ぜひ確認しておいてください。
訪問介護での身体介助
先述のとおり、無資格未経験でも、介護の有資格者の指導があれば、身体介助は行えます。しかし、訪問介護においては、無資格の場合は身体介助を行えません。介護保険の中にも、禁止ということが明記されています。
訪問介護で身体介助を行うためには、「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。なぜなら、訪問介護は原則職員ひとりでご利用者の自宅に伺い、介護サービスを提供します。介護の基礎スキルや知識が必要とされるため、無資格・未経験の人は業務できません。
医療的なケア
医療的ケアは、医師や看護師などの免許がなければ原則行ってはいけません。介護職も基本的には、医療的ケアはNGです。しかし、喀痰吸引や経験栄養の対応などは、一定の研修を受けることで、介護職でも可能な業務となります。
当然無資格未経験の場合は、すべての医療的ケアができません。たとえ有資格者や先輩から指導されたとしても、資格がない場合は絶対に行ってはいけないので、厳守してください。
無資格・未経験の介護職に求められるもの
無資格未経験の介護職に求められるものは、以下の3つが挙げられます。
- 体力
- 優しさ
- 向上心
介護の現場では、スキルや経験がなくても他の部分で有資格者よりも勝れる部分があります。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
体力
介護職はご利用者を抱えたり、蒸し暑い浴室で入浴介助をしたり、さまざまな場面で体力を必要とする仕事です。また、介護は労働感情ともいわれており、精神をコントロールしながらストレスに耐えられる体力も必要になってきます。
そのため、無資格未経験でも体力に自信のある場合は、面接時にアピールすることで採用されやすくなるでしょう。体力といっても、力強い腕力のようなものではなく、体調を崩さずにシフトどおりに働けるようなことを指します。
優しさ
介護職にとって、優しさはとても重要なスキルです。介護職は、介護を必要とする高齢者を相手にする対人サービスです。移乗介助や排泄介助など、ご利用者の身体に直接触れる際は、声のかけ方が重要になってきます。
ぶっきらぼうに話しかけるのか、優しい口調で話しかけるのかで、ご利用者の感情は大きく変わってきます。根っからの優しい人間である必要はありませんが、必要に応じて優しさを表現できることが大切です。
向上心
採用する施設側が、無資格未経験の方に最も求めるのは、向上心といっても過言ではありません。なぜなら、資格もなく経験もない状態で採用する場合は、入社して経験を積むことで介護職として成長してくれるだろうという期待を感じるからです。
「これから資格を取得してキャリアアップしたい」「1日でも早く戦力になれるよう頑張りたい」といった思いがある場合は、しっかりと面接の際にアピールしましょう。無資格未経験の方にとって、向上心は介護職として成功するために最も重要なスキルです。
無資格・未経験から介護職をはじめるメリット
無資格・未経験から介護職をはじめるメリットは、以下の3つです。
無資格・未経験から介護職になるメリット
- すぐに働き始められる
- 介護の仕事が自分にあっているか確認できる
- 最短で国家資格取得を目指せる
弱みである無資格未経験の状態を強みとして捉えられる考え方なので、ぜひ参考にしてみてください。
すぐに働き始められる
介護の仕事は資格や経験なしでも、すぐに現場で働き始められます。あらかじめ資格を取得してから働くという選択もできますが、すぐに働きはじめることで、介護職の経験をいち早く学べることは大きなメメリットです。
はじめは掃除や洗濯などの生活支援がメインかもしれませんが、実際に介護現場にいることで介護職の業務を感じられます。また研修では経験できないリアルな介護の現場を、すぐに体験できるため、学ぶべきことが非常に多い点も魅力的です。
介護の仕事が自分にあっているか確認できる
無資格・未経験の場合、まずは仕事をしてみないと自分にあっているかわかりません。介護職の場合は、すぐに介護の仕事を始められるため、自分に向いている仕事であるかを見極められます。
万が一仕事を経験して「自分にはあっていない」と感じたら、他の仕事に転職することも検討できます。資格を取得してから働いてみて、自分には向いていないと感じ早期で退職した場合は、資格取得が無駄になってしまいます。無資格未経験だからこそ、まずは実際に体験してみるのがいいでしょう。
最短で国家資格取得を目指せる
介護の国家資格である介護福祉士の取得を目指す場合、基本的に3年以上の実務経験が必要です。無資格・未経験ですぐに介護現場で働き始めれば、その分介護福祉士を取得するまでの期間も短くなるため、キャリアアップの面でもスムーズに進んでいくでしょう。
資格や経験が無い状態で介護の仕事を始める場合、基礎資格である「介護職員初任者研修」や、介護福祉士の受験に必要な「実務者研修」を受ける際にも便利です。なせなら、先に現場で介護経験を積んでおくことで、研修内容が理解しやすくなるからです。
無資格・未経験から介護職をはじめるデメリット
無資格・未経験から介護職をはじめるデメリットは、以下の2つです。
無資格・未経験から介護職になるデメリット
- 自ら勉強する必要がある
- 有資格者に比べると給料が低い
それぞれデメリットの解消法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。では詳しい内容を見ていきましょう。
自ら勉強する必要がある
無資格未経験だと、介護に関する知識やスキルはゼロの状態です。現場で知識やスキルを学べるとはいっても、施設によって介助方法が違うこともあるため、介護の基礎を学びにくい環境ではあります。
そのため、無資格未経験で介護職を始める方は、自ら勉強する姿勢が非常に重要です。勉強法としては、以下の3つがあります。
- 仕事に慣れてきたら「介護職員初任者研修」を受講する
- 仕事に慣れてきたら「実務者研修」を受講する
- 早いうちから介護福祉士の勉強を始める
介護福祉士を目指す場合は、実務者研修が必須となるので、国家試験を受験したい方であれば、「実務者研修」を受講しつつ、終わったら介護福祉士の勉強を始めるのがいいでしょう。
有資格者に比べると給料が低い
介護職の給料は、資格の有無によって異なります。とくに国家資格である介護福祉士を持っているかいないかで、待遇は大きく変わります。なぜなら、施設の介護福祉士取得者の数にが、国からもらえる介護報酬に影響するからです。介護福祉士を持っている職員が多ければ、その分介護報酬も多くなる仕組みです。
ただし、資格も経験もないのは始めのうちだけです。経験を積みながら資格を取得すれば、給料も上がってくるので焦らずコツコツ働きましょう。
【資格別】介護職の平均給与
具体的に資格の有無によって、どのくらい給料に違いがあるのでしょうか。以下の表は保有資格別に見た、介護職の平均給与になります。
保有資格 | 平均給与 |
無資格 | 268,680円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
介護支援専門員 | 376,770円 |
介護の基礎資格である介護職員初任者研修でも、無資格よりもおよそ3万円平均給与が高い結果となっています。介護福祉士を取得すれば、無資格よりもおよそ6万円多くもらえる計算です。
無資格未経験で始められる点は介護職のメリットですが、キャリアアップを図り待遇を良くするためには、資格取得は必須と言えるでしょう。
無資格未経験から介護職を始める際の注意点
無資格未経験から介護職をはじめる際の注意点は、以下の2つです。
- 無資格未経験OKの求人でも必ずしも採用されるわけではない
- 2024年の4月から無資格未経験で介護職は始められなくなる
無資格未経験で介護職を始めようとされる方は、しっかりと確認しておいてください。では詳しい内容を見ていきましょう。
無資格OKの求人でも必ずしも採用されるわけではない
介護職の求人に無資格未経験OKという記載があっても必ずしも採用されるわけではありません。なぜなら、同じ時期に有資格の経験者が面接に来た場合、やはり無資格者の方が不利になるからです。
筆者も無資格で受けた施設で、面接の感触は良かったのですが、結果は不採用だったことがありました。当時は同じ日に私の他に2人面接されている方がいて、おそらく資格や経験があったのではと思います。やはり介護業界では、資格や経験が大きな武器になっているといえます。
2024年の4月から無資格未経験で介護職は始められなくなる
2024年からは無資格だと介護の仕事ができなくなります。なぜなら、無資格者への「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられるからです。ただし研修といっても、6時間程度で完了する内容なので、すぐに取得できます。
なお、訪問介護においてはこれまでどおり、介護職員初任者研修の受講が必要になりますが、その他のほとんどの介護サービスは、認知症介護基礎研修の受講が必須のようです。今後は、完全無資格で介護の仕事をするのは難しくなっていくでしょう。
無資格・未経験の介護職におすすめの介護施設
無資格・未経験の介護職が働き始める際におすすめの介護施設は、以下の3種類です。
無資格・未経験におすすめの介護施設
- 特別養護老人ホーム
- 介護付有料老人ホーム
- グループホーム
すべて筆者が実際に経験した施設で、無資格・未経験者に有利な点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、常に介護を必要とし、自宅での生活が困難な高齢者に、生活全般の介護サービスを提供する施設です。
特別養護老人ホームは、身体介助の割合が高く、基本的な介護技術を学びやすい環境にあります。そのため、未経験の方であれば、早いうちから多くの身体介助の経験を積めるので、介護技術のスキルアップに最適です。
筆者も特別養護老人ホームで、排泄介助や移乗介助、入浴介助などの身体介助を多く経験し、現在の介護スキルの基礎を築き上げました。まずは基本的な介護スキルをとことん学びたいという方は、特別養護老人ホームから働き始めるのがおすすめです。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、高齢者が安心して暮らせるよう配慮された環境で、介護サービスを提供している施設です。有料老人ホームの場合は、施設の介護サービス以外に、外部のサービスも利用可能な点が特徴です。
有料老人ホームは、ほぼ自立している方から介護を必要とする方まで、さまざまな状況の方が生活しています。そのため、基本的な介護スキルだけでなく、ご利用者の悩みを聞いたり、多くの人が楽しめるレクリエーションを実施したり、身体介助以外も豊富に経験できます。
筆者の経験した有料老人ホームはホテルのような景観で、介護サービスもおもてなしの精神で行う施設だったため、丁寧な接遇や細かい気遣いなど、介護以外でも役立つようなスキルを学べました。
グループホーム
グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護」で、その名のとおり、認知症の方が共同で生活する施設です。認知症の方が穏やかに生活できるよう、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、食事や洗濯などの日常生活行為を、ご利用者とスタッフが協力して行います。
グループホームはご利用者が5人〜9人と少人数で、ゆったりとした雰囲気の中で介護サービスを提供します。そのため、無資格未経験の方でも、ゆっくりと介護スキルを学べます。また認知症に特化していることもあり、認知症ケアに関する教育体制が他の施設よりも充実しています。まずは認知症ケアを学びたいという方に、おすすめの施設です。
介護職が取得するべき資格3選
介護職がステップアップを目指す際に取得するべき資格は、以下の3つです。
ステップアップに必要な代表資格
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
介護関係のもっとも代表的な資格なので、まずはこの3つの資格について知っておきましょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職のもっとも基礎的なスキルで、無資格未経験者がまず取得するべき介護資格です。介護の基本やコミュニケーション技術、認知症の理解など、全10科目130時間のカリキュラムで構成されています。
資格試験はなく、研修を受講すれば誰でも資格を取得できます。まずは介護の基本を学びたいという方は、介護職員初任者研修を取得しましょう。
実務者研修
実務者研修とは、無資格未経験の方が介護福祉士を受験するために必要な研修です。なお、無資格未経験から介護福祉士の国家試験を受験するためには、以下2つの条件を満たさなければいけません。
- 介護の実務経験3年以上
- 実務者研修の受講完了
介護福祉士の取得を目指す方は、必ず取得しなければいけない資格です。
実務者研修には、以下のような到達目標が明示されており、介護の実践的なスキルが学べます。
- 幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の修得
(※介護福祉士養成施設(2年以上の養成課程)における到達目標と同等の水準)
- 今後の制度改正や新たな課題・技術・知見を自ら把握できる能力の獲得を期待
介護福祉士
介護福祉士は現場の介護職にとって唯一の国家資格で、介護職のトップ資格といっても過言ではありません。介
護福祉士は介護の専門的な技術を要している証明になるだけでなく、介護職のリーダー的役割を担える存在でもあることを示します。
介護福祉士の資格取得は、給与アップにも効果的なため、無資格未経験から介護職を始め、今後キャリアアップして待遇を改善させたい方にとっては必須の資格です。
無資格・未経験の人が介護転職を成功させるポイント
資格や経験を持っていない人が介護転職を成功させるポイントは以下の3つです。
介護転職のチェックポイント
- 資格や経験不問の求人を探す
- 新人研修制度が充実している施設を探す
- 資格取得支援制度がある施設を探す
それぞれのポイントを押さえて、ぜひ転職の成功に活かしてください。では、それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
無資格・未経験OKの求人を探す
まずは「無資格OK」「未経験歓迎」などの求人を探しましょう。このような記載がない場合でも応募はできますが、採用の可能性を考えると無資格未経験OKの求人に応募するのが無難です。
ただし「無資格未経験の方大歓迎」「急募」などの記載がある場合は、かなりの人手不足の可能性もあります。そのため、面接で施設見学をする際は、現場の様子を注意深く観察しておくといいでしょう。
介護の求人を探す際は、以下の記事で紹介している転職エージェントがおすすめです。転職エージェントを利用することで、詳しい施設情報を知れたり、給与の交渉をしてくれたりするので、ぜひご活用ください。
新人研修制度が充実している施設を探す
無資格未経験の方は、転職先で介護の学び始めることになります。そのため、研修制度が充実している施設がおすすめです。無資格未経験OKの求人の中には、慢性的な人手不足で研修が行えない場合もあるため、職場選びは慎重に進めましょう。
筆者が以前いた施設は、新人研修が非常に充実していました。具体的には入社後2週間は,
座学と実習を通じて、徹底的に介護を学ばせていただきました。当時は無資格未経験ではありませんでしたが、あらためて介護の基礎を学び直すいい機会でした。
面接時には必ず「御社の研修制度をお聞かせください」と伝え、研修の内容を確認しておきましょう。無資格未経験の方にとっては、給料をもらいながら介護の基礎を学べる貴重な機会になります。
資格取得支援制度がある施設を探す
無資格未経験の方が転職先を探す際は、資格取得支援制度がある施設を選びましょう。なぜなら、資格取得支援制度があれば、今後資格を取る際にかかる費用を会社が負担してくれるからです。
資格取得費用は決して安くなく、介護職員初任者研修や実務者研修は、10万以上かかる場合もあります。資格取得支援を利用すれば、自己負担無料で資格を取得可能です。ただし資格取得支援制度を利用した方が1年以内に離職した場合は、支援金は返還しなければいけないといったルールを設けている場合もあります。
筆者が転職した先には、資格取得支援制度だけでなく、資格取得のスクールも開講していたため、資格をスムーズに取得しやすい環境でした。
無資格・未経験の介護転職に関するよくある質問
経験や資格が無い人が介護転職を目指す際に、よくある質問について以下にご紹介します。
介護転職のよくあり疑問
- ずっと無資格のままは働き続けられますか?
- 介護職に慣れるまで何年くらいかかりますか?
- 介護の仕事はキツいですか?
それぞれの質問にわかりやすく回答しているので、ぜひご覧ください。
ずっと無資格のままは働き続けられますか?
記事内でも触れたように、2024年の4月から無資格の介護職全員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されます。そのため、2024年3月までは、無資格でも介護職として働けますが、いずれは無資格で始められなくなります。
ただ6時間程度の研修を受講するだけなので、とくに気にする必要はありません。これからは介護職全員が、認知症の基礎を学んでから現場に入れるため、もサービスの質の向上も期待できるでしょう。
介護職に慣れるまで何年くらいかかりますか?
あくまで筆者の経験からお伝えさせていただきますが、早い人だと3ヶ月ほどで仕事に離れくるでしょう。筆者も無資格未経験から介護を始めて、3ヶ月程で夜勤を含めたほとんどの業務を行なっていました。
ただし、ご利用者が100名を超えるような大きな施設の場合は、全体を把握するのに1年ほどかかりました。逆に、グループホームのような小規模な施設の場合は、1ヶ月程度である程度の業務やご利用者の特徴などを覚えられました。
仕事に慣れるまでの期間に関しては、人によって異なるため、焦らずに目の前のことをコツコツ覚えていけば問題ないでしょう。
介護の仕事はキツいですか?
介護の仕事はキツいときもあれば楽しいときもあります。具体的には、以下のようなときにキツく感じます。
- 認知症対応が上手くいかずご利用者が不機嫌になったとき
- 人手不足で職員一人当たりの業務量が多すぎるとき
- 夜間ナースコールが頻回に鳴るとき
一方、以下のようなときは楽しさを感じられます。
- ご利用者から笑顔で「ありがとう」と言われたとき
- チームケアでご利用者の状態が改善されたとき
- 仕事の頑張りが上司に評価され給料に反映されたとき
介護職はキツいときもありますが、その分楽しさや嬉しさも多く感じられる魅力的な仕事です。
無資格・未経験でも介護職は目指せる!
介護職は誰でもなれて、すぐに現場で経験を積めるため、無資格未経験の方が始めやすい仕事です。資格や経験がないため、有資格者や経験者に比べると待遇面で劣りますが、経験を積むことで確実に資格を取得しキャリアアップすることが可能です。
「無資格未経験だから不安…」と感じる方は、本記事でも紹介しているエージェントの有効活用や、研修制度の充実した施設へ転職など、無資格未経験者が成功できるポイントを参考にしてみてください。